小学校のミュージカル
10月のある日・・・
子どもたちが、小学校でミュージカルをやるので、その練習をしていると言い出した。グループに分かれて、衣装も各自そろえるらしい。
万里は赤いバンタナ、赤いTシャツ、ジーパン。亜希は白いTシャツ、濃い色のジーパン、ティアラ、ブレスレットとある。それとTシャツの胸の部分に模様をつけるための、紫色のブックカバーシート。このシートとブレスレットは決まったものがあるらしく、亜希の友達がちゃんとメモにその名前を書いて、売っている店も教えてくれた。それでもブレスレットを見つけられずにいると、友達が代わりに買ってきてくれて、ティアラも、結局誰かに貸してもらえることになったようだ。万里の赤いバンタナも、学校で用意してくれると聞いたので、本当にたいした準備もしなかった。
私はそれほどたいそうなものとは考えてもいず、小学校のホールでやるのだろうと思っていた。でもその日が近づいてきて、学校から来た案内を読んでちょっとびっくり。ディーキン大学、トゥーラックキャンパスにあるホールを使ってやるというのだ。しかも2日間で昼の部が1回と夜の部が2回の3回公演!夜の部は7時から8時半のため、両日とも子供たちを送り迎えしなくてはならない。
会場を借りる費用もあるためだろうが、親も15ドルのチケットを買って見に行く。ただ学生割引シニア割引もあり、私は学生料金の10ドルでよかった。とにかく両日送り迎えをするのだからと、2日間分のチケットを買った。
11月14日
直前にはかなり厳しく練習があったらしく、二人とも「間違ったら怒られる」と憂鬱そうだった。初日は朝からリハーサルに行き、いったん帰宅してから夜に本番。リハーサルが大変だったとか、疲れたからもう行くのは嫌だと文句を言っている。私はどんなものかまったく想像がつかなかったので、あまり気乗りのしない二人をなだめすかして車で送っていった。でも会場に着くと、二人とも躊躇なく自分たちの集合場所に走っていった。
開園までまだ20分ほどある。ホール内には入れなくて、たくさんの親たちが廊下で待っている。回りを見回すと、両親だけでなくおじいちゃん、おばあちゃんも一緒にきている家族も多い。日本の小学校だと、さしづめ運動会というところか。立ち話をした女性は、今夜は彼女が、明日はお父さんが送ってきて舞台を見るそうだ。
いよいよ開演。ホールはそれほど大きくはないがちゃんとした舞台だ。入り口でもらったパンフレットを見ると、6シーンに分かれていて、二人の出番のシーンがわかった。始まって最初のシーンで圧倒されてしまった。「何でこの子達、こんなにうまいの?」と唖然とする。衣装や小道具も先生方やボランティアの親が手伝って用意したそうだけど、高校の演劇部のステージよりも凝っているようだ。照明や音楽も本格的で、シーンによっては、ステージの横で音楽の先生がピアノの生演奏をしていた。
最後の校長先生のスピーチを聞いて納得。この小学校にはワカキリ WAKAKIRRI
という名前の演劇部のようなものがあり、4年生から6年生の68人が属している(これは約1/3にあたる数)。その
WAKAKIRRI TEAM は、10月はじめに行われたビクトリア州の大会の決勝戦で優勝したのだ。言われてみて、学校の事務所の前に大きなトロフィが飾ってあったことに気が付いた。つまり1/3の子供たちが、演劇の訓練を受けているわけだから、ステージが素人離れしているのは当然だ。指導する先生方も、かなり本格的なのだろうと思われる。
舞台が終わって子供たちが外に出てきた。どの子も舞台化粧をしていて、とても10歳前後の子供に見えない。亜希と万里も簡単に口紅とシャドーをぬってもらっている。見終わった私も興奮しているが、ふたりも来たときとは大違いでゴキゲンだ。やっぱり、充実感があるのだろう。
外で点呼があるわけでもなく、各自がかってにお迎えと帰っていく。こんなとき、日本とは大違いだなと感じるが、私たちは亜希の担任の先生にだけByeと言って帰った。
11月15日
初日はデジカメしか持っていかなかった。でもあまりにもすごいので、ほかの人にも見せたくて、2日目はデジタルビデオとデジカメを両方とも持参。チケットを申し込むのが遅くなったのが幸いして(?)、私は最後列。もうほとんど立ったままで、左手にビデオ、右手にデジカメを持って大忙しだった。でもビデオをある程度固定させながらデジカメで撮るのは本当に一苦労。あとでビデオを見ると、デジカメで撮っているときは、ブレたり舞台から外れたりしていた。でも一人だと仕方がない。
2日目は、初日にはなかった先生方の飛び入りシーンがあり、大受けだった。3人の先生が衣装を着て出てこられたが、やはり素人離れしている。2回見ても飽きることもなく、子どもたちの舞台に見入ってしまった。亜希と万里もほんの少しは前日よりましだったようだ。
子ども達はこんな舞台を経験することで、人前で表現する能力を身に付けていくのだろう。公立の小学校でここまでできるのかと、本当に感心したが、やはり文化の違いを感じる。でも亜希と万里にとっては、忘れられない経験になったようだ。
”Bored” Games 「うんざりしたゲーム」 (これがミュージカルのタイトルでした)
Scene 1 Wakkakirri by The Successful Team


このオープニングのシーンはすべてWakkakirriの子どもたちなので、本当に上手でした
特にこの左の女の子ふたりはまだ5年生なのに、舞台慣れしています
Scene 2 Free Parking by Year 3&4


万里は後列右から2番目です
Scene 3 Streets of London by Year 5&6


Scene 4 Money by Year 3&4

Scene 5 Electric Company by Year 5&6

ブレイクダンスもさまになっています

亜希はちょうど舞台の真中で目立つところでした
Ending 指導された先生方をたたえている校長先生

2日目のステージには先生方も衣装を着て登場
警察官が亜希の担任の先生です
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